ガンダム 不死鳥狩りネタバレ

ガンダムUC不死鳥狩り

ガンダムNTが発表され、ガンダムUCの小説『不死鳥狩り』があらためて注目されました。
私もそういった作品がある事は知っていましたので、この機会に読んでみることにしました。が、店頭では在庫切れが多く結局amazonで購入。
106ページと小説として長くないので、興味がある方は読んでみたらどうでしょうか。

以下、不死鳥狩りについてネタバレありの感想となります。

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不死鳥狩りとガンダムUC、ガンダムNTの関連性について

『不死鳥狩り』を読んでみると、映像版『ガンダムUC』と混ぜ込むように描かれている事がわかります。

例えば小説版『ガンダムUC』でネオジオングは登場しませんが、映像版『ガンダムUC』に登場します。
また、『不死鳥狩り』にネオジオングは、登場しますが破壊されフルフロンタルには届かない設定となっています。

公開予定の『ガンダムNT』が、どのように小説『不死鳥狩り』の要素を組み込むのかは現在のところ分かっていません。

不死鳥狩り あらすじ

宇宙世紀0096年、ネェル・アーガマと「袖付き」の最終決戦を間近にする頃。連邦軍の少数精鋭部隊「猟人(シェザール)隊」が極秘任務を遂行していた。その目的は約半年ほど前に暴走事故を起こして以来、行方不明となっているユニコーンガンダム3号機「フェネクス」の捕獲。その作戦名は「不死鳥狩り」と呼ばれていた。

不死鳥狩り 主な登場人物

短編小説という事もあり、背景描写など描かれる登場人物は少数。

ヨナ・バシュタ

地球連邦軍クラップ級巡洋艦「ダマスカス」の少数精鋭部隊「猟人(シェザール)隊」に編入されたスタークジェガンのパイロット。階級は中尉。25歳。不死鳥狩り作戦の一週間前に急遽、情報部の推薦で部隊に編入される。
一年戦争時のジオン公国軍によるコロニー落としで家族を失い、少年期はニューフロリダのセント・ファーガス孤児院で育つ。リタはその頃の旧友。

リタ・ベルナル

ヨナと同じく一年戦争時のコロニー落としで家族を失った少女。
ヨナと同じ孤児院で育つ。13歳の頃にティターンズ所属の養父母に引き取られるが。
その後、ユニコーンガンダム3号機フェネクス専属の強化人間パイロットとなるが、約半年前の試験評価中にフェネクスが暴走、機体と共に行方不明となる。

イアゴ・ハーカナ

シェザール隊隊長。一年戦争からのベテランパイロットで、階級は少佐。スナイパーライフルを装備したスタークジェガンを操縦する。

エスコラ・ゲッダ

地球連邦軍情報部の准将。グリプス戦役の頃はティターンズに所属していた過去を隠すことで今の地位まで成り上がった。

不死鳥狩り ネタバレありの感想

小説の流れに沿ってネタバレ含む感想となります。

ヨナとリタ

主人公のヨナ(13歳)とリタ(13歳)が海辺で語らうシーンから始まります。
描きだしから「いまでもよく憶えている。」ということから、この部分が過去の事とわかります。

言葉数少ない中リタが「生まれ変わりってあると思う?」聞くと、ユタは「そんなのはない。魂など信じていない。」と答える。
少し寂しそうなリタ。彼女は「私は生まれ変わったら、鳥になりたい。」と言います。
そんなリタに気の利いた言葉も返せないまま、ヨナとリタは離れ離れになります。

2人ともコロニー落としの孤児で共に施設で育ってきた仲ですが、この日はリタが里親に引き取られる日でした。
そしてこれがヨナとリタの最後の会話となります。

不死鳥狩り

シーンが変わり、ヨナはコクピットの中にいました。搭乗機はスタークジェガン。

スタークジェガンガンダムUCの最初でクシャトリヤと戦闘したこの機体ですね

しかし、自体は緊迫した状況で目前にはあのフェネクスが迫っています。
ヨナは連邦軍の少数精鋭部隊『シェザール(猟人)隊』に所属している軍人となっています。

シェザール隊の目的は、フェネクスの鹵獲。
シェザール隊は、ハンブラビの海ヘビを使用しフェネクスを捕えようとしますが、機体スペックの違い、人間離れした動きからフェネクスを捕え損ねます。

不死鳥狩り画像:機動戦士ガンダムUC11

しかし、ヨナはフェネクスとの接近の中リタの声を感じ取ります。

エシャロット事件とフェネクス

ブリーフィングルームにシーンが変わります。
フェネクス鹵獲の失敗と、フェネクスを追う事になったきっかけとなる『エシャロット事件』について語られます。

この『エシャロット事件』はイベント上映の『機動戦士ガンダムUC One of Seventy Two』で映像作品として公開されています。今は見る機会はない。。。のかしら。

宇宙世紀0095年12月3日、「UC計画」にビスト財団が関わることを良しとしない地球連邦軍高官のラーソン中将の指示で、連邦軍が独自に組み上げたフェネクスと、マーサ・ビスト・カーバイン率いるアナハイム社のバンシィの合同評価試験の際に起きた、「袖付き」の新型ニュータイプ専用機「リバウ」との交戦と、後に「エシャロット事件」と呼ばれるフェネクスの暴走によりラーソン中将らが乗る巡洋艦エシャロットが撃沈されるまでを描く。引用:機動戦士ガンダムUC – Wikipedia

エシャロット事件の後、フェネクスは立ち去りそのまま行方不明となります。
ブリーフィングの後、ヨナは隊長のイアゴ・ハーカナから「お前は最後に特別枠でこの部隊に配属されたが、それはなぜだ?!」と詰め寄られます。
イアゴは、過去の経験から常に上層部の采配に疑念を持っていました。

ティターンズとニュータイプ研究所

また回想シーンとなります。ヨナはエスコラ・ゲッタの元にいました。
ここでヨナがシェザール隊へ編入された経緯と本当の理由がわかります。

連邦軍に入ったヨナは『エシャロット事件』を知り、またその行方不明となったフェネクスのパイロットがリタだと知ります。
ヨナはリタの足取りを追うなかで、エスコラ・ゲッタが養父であること、また彼がティターンズの元准将だった事を突き止めます。
そして、それがヨナの悲劇のはじまりだった事を。

ティターンズロゴ

エスコラは養子として向かい入れたリタを『ニュータイプ研究所』へ引き渡します。そもそも養子とは表向きの話で、実際はただの素養のありそうな子供を集める手段だったわけです。リタはニュータイプ研究所で、被験者となり強化人間となります。

ヨナはエスコラに、自分をフェネクスを追うシェザール隊に編入させなければ、ティターンズの出身であることを世間にばらすと脅します。
結果ヨナはシェザール隊へ入隊します。

フェネクスの目的

艦内の警報音で現実に戻ります。フェネクスがまた現れました。
フェネクスの機影と思われる地点に向かう途中、イアゴ隊長から「自分はティターンズの30バンチ事件に関わった。」と懺悔にもにた話を聞かされます。「実行部隊ではなく、事実を知らされず見張りを行っていただけだが罪は罪」とイアゴ隊長は自責の念を強くもっていました。

そしてヨナたちの前に再びフェネクスが現れます。

先ほどとは違い、鹵獲が難しい場合は撃墜もいとわないシェザール隊。当然ヨナは撃墜させまいとします。
そんな状況の中ヨナ機の海ヘビがフェネクスを捕えるが、そのまま引きずられるように暗唱空域の奥へ奥へヨナ機を連れていきます。

もはや僚機はセンサー外となり孤立したヨナに、フェネクスからリタの声で「手伝ってほしい」と声が聞こえます。
それと同時に、ヨナ機に向けてビーム砲が発射されますが、フェネクスの誘導で直撃を免れます。
こんな空域に敵が?と思うヨナだが、索敵からムサカ級巡洋艦を発見します。

不死鳥狩りのヤクトドーガ画像:機動戦士ガンダムUC11

このムサカ級の艦、実はフルフロンタルに届けるためのネオジオングを牽引しているところでした。
リタはこのネオジオングの破壊を手伝ってほしかったため、ヨナをここまで導いたのでした。

スタークジェガンの火力で戦艦を落とすためには、砲撃をかいくぐりブリッジと燃料タンクを狙う必要があるが、なんとかヨナは成し遂げる。
しかし、戦艦の轟沈の中からサイコミュ兵器のヤクト・ドーガがあらわれる。
映像版ガンダムUCに登場したあれです。

ガンダムUC ヤクトドーガ画像:NAVER まとめ

ネオジオングとの戦闘

現れたヤクトドーガは、ハルユニット(ネオ・ジオングのシナンジュ本体を除いた外殻部分にあたる部分の事)とドッキングし、ネオジオングが機動します。

画像:機動戦士ガンダムUC11

武装も乏しくなったヨナの搭乗するスタークジェガンでは全く歯が立ちません。
フェネクスも参戦!と思いきや、「わたしは見届けるだけ――声を届けるしかできない。」とのこと(なんじゃそりゃ)。
そんな中イアゴ隊長が駆け付けるものの、ネオジオングの有線式の武装で乗っ取られてしまう。

乗っ取られたイアゴ機は、銃口をヨナ機に向けられ放たれる。ヨナは残弾がきれるまで何とかしようとするが、リタとイアゴの感応を止めることはできずヨナはビームサーベルでコクピットを貫く。
イアゴ機は「それでいい。」というように機体肩に触れる。ヨナはするべきことをするように、イアゴ機をネオジオングの方に蹴りだす。

イアゴ機の爆発に巻き込まれるネオジオング。

しかし、イアゴ隊長のジェガンの爆発に巻き込まれながらも健在のネオジオング。
打つ手がないと思われたヨナの元にフェネクスが現れます。

スタークジェガンを乗り捨て、フェネクスのコクピットハッチを開き搭乗するヨナ(リタの身体がある描写はなく、リタは実体ごと取り込まれたのか?)。「君が鳥になるなら・・・おれも鳥になる・・・!」と最後はビスト神拳のごとく、フェネクス波紋のオーバーロードで瓦解させます。

ガンダムUC ビスト神拳画像:ブースト速報

ネオジオングとの戦闘描写(背面の隠し腕やなど)は、映像版ガンダムUCのユニコーン、バンシィの共闘シーンとほぼほぼ同じイメージとなっています。
サイコシャードは武装破壊しただけで、時間旅行については触れられていません。

ガンダムUCのサイコシャード画像:ブースト速報

不死鳥狩りエピローグ

冒頭の浜辺。
ヨナとリタが再会しています。
ヨナの「なぜ俺だったのか?」の問いに、リタは「あなたがあたしのことを思い出してくれたから。」といい「こっちでは”ひとり”という存在の捉え方が違うの。」と。また、「フェネクスは容れ物で、宿ることはできても、働きかけることはできない。」とも。

ヨナはヒトとして生まれたことで心を持つ苦悩を持つくらいなら、もう人間はこりごりだと言い、このままこの世界でずっとこうしていたいと言います。そんなヨナにリタは「できるよ」と言います。
でもそれは、「自分で作った檻に自分で閉じこもっているだけ」とも言います。そして、自分はここにはいられないといい立ち去ろうとするリタ。

ヨナは「一緒にいっちゃ、いけないのか?」と問うが、リタは「会えてうれしかった」といい、いつかの日のように海を駆け白い鳥となって飛び立った。

・・・

「おい!ヨナ!ヨナ中尉!」の回線音で気が付くヨナ。
部隊のメンバーからの声で自分が生きているんだと感じるヨナ。他の部隊員はフェネクスを見失っていたが、ヨナにはリタの魂を乗せたフェネクスは、星の海へ飛んで消えて行くのが確かに見えていた。

不死鳥狩りの感想

初代ガンダムからの「何となくみんな分かり合える」といったニュータイプ論から、もう少し踏み込んだ感じでニュータイプについて描かれた印象でした。
例えば刻(とき)を知覚できるようになるとか。これは、映像版ガンダムUCでネオジオングと時間旅行をしたシーンですね。

リタはフェネクスに取り込まれ思念体のみの存在となり永遠となったのか。
しかし、それは「生命」といえるものなのか?
「いつか、命をもったまま”刻”を見られる日が来るかもしれない。」とリタは言ったが、それは命の定義が変わるだけではないのか。

個人的には、もはやニュータイプという言葉は「常により良くなっていくための指針」みたいなものじゃないかなと思っています。

ちなみに小説には『魂が作り出した場』という記述に、『サイコ・フィールド』とルビが振ってありました。

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